シューキャク・マンの集客日記

月の半分は海外にいる田舎育ちのグローバル人/2017.1月号月刊ツイン好評連載中

『月刊ツイン』2017年1月号表紙
シューキャク・マンのツインTalk vol.5
キーマンから学ぶ生き方、働き方
月刊ツインにて好評連載中!!
毎月、さまざまなジャンルのプロフェッショナルや社長をお迎えして
働き方や生き方を誌面上でうかがっていきます。
ナビゲーターは、シューキャク・マン株式会社代表取締役の浜畑です。
株式会社 大日光・エンジニアリング 代表取締役 副社長 山口琢也
株式会社 大日光・エンジニアリング
日光市根室697-1
代表取締役 副社長 山口琢也
<Data>
■出身地…日光市 ■身長…173.6cm ■体重…68kg ■平均睡眠時間…6時間 ■平均起床時刻…5時30分 ■趣味…ゴルフ・読書 ■今まで訪れた国…20ヶ国 ■好きな本…「失敗の本質」戸部良一ほか5名の共著 ■家族…妻 ■好きな食べ物…オリーブ・生ハム ■座右の銘…我以外皆師也 ■好きな場所…朝のゴルフ場 ■尊敬する人…井深大・高田純次 ■今日の財布の中身…20,000円

顧客のニーズへの対応力が自慢

浜畑御社のプロフィールを教えてください。

山口当社は1979年に創業した会社で、電子実装基板の設計・製造を中心に、完成品の組み立て、カスタム電源ユニットの設計・製造、技術者派遣、システム開発など、電子機器関連の多岐にわたる業務を行っています。

浜畑ジャスダック上場もされているんですよね。現在、従業員の方は何名くらいですか?

山口正社員は260名ほどですが、派遣の方や請負いの方も合わせると大体600名くらいですね。その他海外工場のスタッフを含めると約3000名おります。

浜畑現在の社長でいらっしゃるお父さまが一代でここまで築き上げたんですよね。

山口はい。父は東京・浅草の生まれで、もともとは電子基板製造会社のエンジニアでした。たまたま栃木に転勤になりその後独立、そして当地でこの会社を創業したのです。

浜畑ところで、御社がこのように大きく発展した理由は何でしょうか?

山口クライアントである企業が海外展開をした時に、私どもがスピード感をもってそのニーズに合わせた事業展開を行うことができたのが大きかったですね。

私たちの業種はどちらかというと地味な分野です。また、事業規模的にもこの業界では特に大きい方ではありません。なので、対外的なアピールがなかなか難しい。それならば、ということで大きな規模で量をこなすよりも特定の技術に強い会社を目指しました。

浜畑多品種少量生産でクライアントのオーダーメイド的な要望に応えるということですね。

山口お客さまのニーズが多様化している中で、弊社はクライアントからの要求+αの対応をするための生産・管理の技術力において一定の評価をいただいていますが、その背景には「ものづくりを極める」姿勢があると自負しています。
たとえば、一見用途に関係しないような些細な点にも強いこだわりを持った設計と、ものづくりを徹底しているところがお客さまに評価されている部分だと考えます。

大日光・エンジニアリング山口/シューキャク・マン代表浜畑

野球少年からグローバル人へ

浜畑そのような取り組みが、日本のみならず世界を相手にしたときの競争力の高さになっているんですね。山口さんは現在、副社長という立場ですが、会社には新卒で入ったのですか?

山口いいえ。大学院卒業後、IT関連企業に就職し、3年ほど働いた後にこちらに戻りました。

浜畑まずは何を担当されたのですか?

山口2003年の入社後、すぐに香港のグループ会社に赴任し、2010年までの間、当時はまだ立ち上げ中だった海外工場設立のプロジェクトや新規顧客獲得のための営業活動を行ってきました。現在の仕事は海外法人の統括が中心です。タイ、香港、中国など月の半分は海外ですね。

浜畑幼い頃はどんな子どもでしたか?

山口地元の今市の山の中を駆け回る子でしたよ。それに野球少年でした。実は私には兄がいたのですが、私が中学3年の時に亡くなってしまい、その後は父の会社は自分が継ぐんだろうなと、ぼんやり思っていました。大学も親から特に言われたわけではありませんが、経営工学を選びましたしね。

浜畑学生時代はどんな生活を?

山口ひたすらバイトと飲み会の日々でしたね(笑)。親からの仕送りは基本的に学費だけだったので、生活費と飲み代を稼ぐのに必死でした。

浜畑大きな企業の2代目なのに?お父さまの方針ですか?

山口どちらかというと母ですね。テレホンアポインターやガードマン、居酒屋スタッフなどいろいろやりましたよ。でも今にして思えば、その経験が現在の仕事にとても役立っています。バイト時代に培った人間関係も財産ですしね。

最大ではなく最高を求めて

浜畑この仕事をしていて良かったと思うことを聞かせてください。

山口世界中の多くの方と出会う機会があることですね。あとはやはり、新しいジャンルのお客さまを開拓し、注文をいただけた時ですね。また、スタッフの協力による地道な営業活動が実を結び、参入が難しい自動車メーカーから仕事がいただけると連絡があった時は鳥肌が立つほど嬉しかったですね。

浜畑社長のお父さまからほめられたりしますか?

山口いまだにないです(笑)。でも私自身、自分がここで終わりではないと思っています。会社の技術レベルは確実に上がってきたというプライドもありますし、現状に甘んじることなくこれからもクライアントごとの要望にきめ細かく応えられるような企業でありたいですね。

浜畑会社のリーダーとして大切にしていることを教えてもらえますか?

山口自分の仕事に誇りを持つ職人気質の従業員が多いので、彼らの思いを汲みながら仕事の目標を明確にし、その達成のための仕組みを作り、気持ちを盛り上げることが私の仕事だと思っています。また、社員に幸せになってもらうための環境作りも大事ですね。私は彼らに「あの会社で働けて良かった」と思ってもらいたい。規模拡張や利益の追求、顧客満足度を高めることも重要ですが、従業員の満足度を上げていくのも企業としては必要です。競争の激しい業種ですが、戦いの舞台はグローバル、だけど会社はローカルという心をいつも持ちながら、栃木発の“グローカル企業”として、かつて本で読んだ「最大を求めるのではなく最高を求めよ」という言葉を実践していきたいですね。

▲ページの先頭へ