シューキャク・マンの集客日記

23店舗経営の若き社長/2016.11月号月刊ツイン好評連載中

シューキャク・マンのツインTalk vol.3
キーマンから学ぶ生き方、働き方
月刊ツインにて好評連載中!!
毎月、さまざまなジャンルのプロフェッショナルや社長をお迎えして
働き方や生き方を誌面上でうかがっていきます。
ナビゲーターは、シューキャク・マン株式会社代表取締役の浜畑です。

株式会社 木村
宇都宮市南高砂町11-37
代表取締役社長 木村 圭一
<Data>
■出身地…宇都宮市 ■身長…169cm ■体重…62kg ■平均睡眠時間…7時間 ■平均起床時刻…5時30分 ■趣味…朝のランニング ■今まで訪れた国…9ヶ国 ■お勧め本…「孟嘗君」 宮城谷 昌光 著 ■家族…妻・娘3人・息子1人 ■好きな食べ物…そば・タコス ■座右の銘…人間万事塞翁が馬 ■尊敬する人…亡き父 木村好夫   ■今日の財布の中身…10,000円

創業65年の歩みと商品のこだわり

浜畑“木村のかきもち” といえば栃木を代表する銘菓ですが、創業何年を迎えられましたか?

木村創業65年になります。創業当時は卸売業のみでしたが、約35年前、父が周囲の反対を押し切り、最初の直売店“木村のかきもち” をオープンしました。その後、試行錯誤しながら独自のブランドを確立し、10 年前に私が3 代目の社長として会社を引き継いだタイミングで屋号を「下野乃国米菓處木村」に変更したのです。

浜畑会社を継がれる前は何をされていたんですか?

木村高校卒業後、カナダの大学に4年半ほど留学しました。帰国後、中小企業大学校で後継者コースを受講し、1999年に弊社に入社しました。

浜畑現在、「下野乃国米菓處木村」が22店舗、「村一番」が1店舗と数多くの店舗を経営されていますが、商品のこだわりはなんでしょうか?

木村弊社では木村のかきもちの代表商品となる国内産もち米を使った“かきもち・あられ” に特に力を入れています。材料は国内産もち米のほか、タレに愛知県産のしょう油、瀬戸内海産の青のりなど厳選した材料を使っています。製法ではもち米を練った後に行う“杵つき製法” というのですが実際に機械で餅つきをします。この製法を行っている会社はそんなにありません。また弊社は、仕上げに油で揚げるのではなく、表面に油をふりかけています。この特別製法により必要以上に油を使わず、少量の油で味をまろやかにでき、さっぱりとした飽きのこない味わいに出来上がります。これらの製法は手間がかかるのですが、弊社のこだわりです。

浜畑他社にはない製法で独自のオリジナル商品が生まれたんですね。

木村さらに新たな世代のお客様に来ていただくため3年ほど前から好きな写真や絵をおせんべいに印刷する「プリントせんべい」も始めました。

浜畑世界に一つのおせんべいが作れるんですね!プレゼントにも喜ばれそうです。

木村幅広い世代の方にご好評いただいてます。また本店敷地内でもんじゃ焼や鯛焼き、ソフトクリームなどの販売も行っており、そちらはすべて100円以内で購入できるんです。

浜畑100 円以内とは安いですね!

木村子どもが一人で来られるような親しみを感じられる場所をつくりたいという思いから、価格を設定しました。たくさんのお菓子がある中で、子どもたちにとってかきもちやおせんべいは身近な食べ物ではないかもしれません。でも「小さい頃に木村で遊んだ」という記憶はずっと心に残るのではないかと思ったんです。

浜畑小さい頃に馴染みのあった懐かしい場所は思い入れもありますし、大人になっても訪れたい場所になりますよね。私も実家が駄菓子屋だったのでその気持ちが分かります。

木村それにお金を使う感覚が身に付くので、社会勉強にもなります。そういう環境を地域に残せたらと考えています。

逆境をチャンスに変えていく

浜畑御社の社員の方々は、いつも気持ちよく挨拶してくださるのが印象的です。何か社員教育で力を入れていることはありますか?

木村一番心がけているのはやはり挨拶ですね。誰が訪問しても元気に挨拶してくださる得意先があるのですが、そういう会社は雰囲気もよく、業績も伸びています。特別な教育はありませんが私も役員も必ず自分から挨拶をします。お得意先やお客様であろうが、社員であろうが関係ありません。そうすることによって、社員のみんなも実践してくれるようになるんです。

浜畑社長になられてから10 年とのことですが、今まで大変だったことはありましたか?

木村世代交代に向けて営業・総務・売店・工場など各部門責任者の若返りを行いながら内部の組織を固め、環境を整えるのに10 年かかりました。

浜畑人を動かすということは摩擦も生まれるので相当大変だったのではないでしょうか?

木村そうですね。でも組織を成長させるには摩擦を恐れずに変化していくことが必ず必要です。私が社長になって社員と一つになれたきっかけは、東日本大震災を経験したことですね。計画停電で作業が進まない中、夜中に解除になったら社員のみんなが自主的に集まり作業をしてくれました。逆境の時期でしたが、社員との信頼関係の強化に繋がりました。

浜畑今までで一番嬉しかったことはありますか?

木村同じ方向を向いて切磋琢磨し合える良い仲間に出会えたことですね。社員一人ひとりが、家族のように大切な存在です。人に恵まれていることが、自分にとっての強運だと思います。

浜畑そういう方たちを吸い寄せられるのも、木村社長のお人柄があってこそなのでしょうね。

大切にしている信念や将来の展望

浜畑これからの10年、20年、どのような会社にしていきたいですか?

木村時代の変化に対応しながら、社会で必要とされ続ける会社にしていきたいです。プリントせんべいなどの商品を武器に新たなニーズを生むのはもちろん、会社の在り方として、“相手の利益を優先する” という考え方を大切にしていきたいです。会社を存続していく上で売り上げは必要ですが、社員、お客様、みんなの利益を最優先して、一番喜んでもらえる形をご提案していけるような会社に育てていきたいです。

浜畑その信条から、木村社長の生き方、働き方が伝わってきます。

木村人が喜ぶことが一番の喜びでありたいですね。社員みんながその気持ちを共有できる会社をつくれたらもっと幸せになれると思います。

浜畑素晴らしいです。それが長く愛されていく企業の在り方なのでしょうね。

木村また福祉施設と連携し、障害を持っている方々にもシール貼りや袋詰めなどの軽作業を行っていただき弊社での雇用も強化しています。地域に必要とされる会社を目指して、少しずつ社会貢献していきたいです。

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