シューキャク・マンの集客日記

プロアイスホッケー監督から社長へ転身/2016.10月号月刊ツイン好評連載中

シューキャク・マンのツインTalk vol.2
キーマンから学ぶ生き方、働き方
月刊ツインにて好評連載中!!
毎月、さまざまなジャンルのプロフェッショナルや社長をお迎えして
働き方や生き方を誌面上でうかがっていきます。
ナビゲーターは、シューキャク・マン株式会社代表取締役の浜畑です。

株式会社アスリートスタンダード
東京都中央区八丁堀4-9-4
代表取締役社長 村井 忠寛
<Data>
■出身地…北海道 ■身長…170cm ■体重…70kg ■平均睡眠時間…6時間 ■平均起床時刻…6時 ■趣味…アイスホッケー ■今まで訪れた国…10ヶ国 ■お勧め本…「カリスマ体育教師の常勝教育」 原田 隆史 著 ■家族…妻・娘2人・息子1人 ■好きな食べ物…ブドウ■座右の銘…Think Globally,Act Locally ■尊敬する人…奥さん ■今日の財布の中身…20,000円

プロ選手から経営者への転身

浜畑村井さんはプロアイスホッケー選手として日光アイスバックスで活躍されていましたが、現役では何年プレーされていたんですか?

村井1998年に古河電工アイスホッケー部に入団しましたが翌年に廃部になり、翌シーズンに日光アイスバックスの立ち上げから入りました。選手として11年、その後に監督を4期、法人営業を2年務めました。

浜畑私が初めて村井さんとお会いしたのは、監督をされていた頃ですよね。

村井2010年ですね。フロントスタッフの事業統括本部長として浜畑さんが来てくださった日のことは今でも覚えています。非常に熱意を持ってチームを支えてくださり、営業スポンサー、ファンクラブ、チケット、飲食などそれぞれの事業で収益を生み出すシステムを作ってくれました。そうしてチームとスタッフが一丸となることで翌年のアジアリーグで3位、プレーオフで2位という好成績を残せました。

浜畑私にとっても印象深いシーズンでした。村井さんはプロ選手を経て監督、法人営業とさまざまな経験をされていますが、かなり稀有な経歴ですよね。

村井なかなかいないかもしれないですね(笑)。その経験を活かし、昨年会社を設立しました。“スポーツを通じてさまざまな人たちを豊かにする”という大きなテーマの下に、スポーツ教育事業、キャリア事業、スクール事業といった3つの事業を行っています。

浜畑キャリア事業ですが、スポーツ選手が引退した後、活躍できる人材に育てあげるには、どのようなことがポイントになりますか?

村井まず将来自分が目指したい姿と今の自分の状態を把握します。この2つが明確であれば、この間にあるギャップ、つまり現在の問題が分かるので今やるべきことが明確になるんです。

浜畑ゴールを決めて、そこから逆算して今やるべきことを考えていくんですね。

村井選手生活は一生ではないからこそ、その後どうしていくかという人生ストーリーを作り、やるべきことを明確にすることが大切です。

勝ち負け以上の価値をつくる

浜畑スポーツ教育では具体的にどういったお仕事をされているんですか?

村井教育事業では ユニクロや大手企業で研修を行い、“人の育成において現代教育の第一人者” と言われる原田隆史先生が独自に考案した「原田メソッド」を採用して栃木SCなどのプロチームの研修や、青山学院大学でアイスホッケーのコーチなど部活指導を行っています。分析シートの質問に答えることで、自分たちの感情面や考え方がすべてデータに出るんです。そのデータを基に、スポーツのパフォーマンスを上げながら教育指導も行っていきます。

浜畑感情や思考がすべてデータ上に表れるとは驚きです。

村井それを見れば今のチームの質が分かります。一部の学生が良好でも、ある学生は「自尊心がなく、チームメイトへの配慮も少ない」という結果が出てくるケースがあるので、監督はそのデータに基づき、誰が今どういう感情に陥っているのかをマネージメントに取り入れていきます。

浜畑研修前、研修後に変化はありますか?

村井今までは単純に「優勝したい」という目標だけだった子が、「優勝を目指し、チームメイトへの貢献を毎日徹底して行う」という他者への貢献の言葉が必ず出てくるようになります。そして我々が問いかけをすることで自分の目標が生まれ、具体的な行動に繋がります。

浜畑自ら考えて行動できるようになるんですね。

村井それが本来、彼らがそこにいる目的なんです。勝ち負けだけじゃない価値が部活動の中で生まれます。そして将来、それが社会でキャリアをつくるのに重要な要素になるんです。

強いメンタルの作り方

浜畑ここ一番の大勝負の時の気持ちの作り方や心掛けていることを教えてください。

村井選手時代から続けているのは、いい自分・悪い自分のどちらかに偏らないように常に自分の中の真ん中に立つようにしています。良い時の自分を目指すとダメな時に自分を全否定してしまいます。良い自分を目指すのではなくて、良い自分の時の50%でいいんです。真ん中に立つことを目指すことでプレッシャーから解放され結果的に安定し、ハイパフォーマンスにも繋がっていきます。良い状態を目指すのではなく、悪くならないように自分を律する。一旦、悪くなると、どんどん負のスパイラルに落ちていき、
回復するのに時間がかかりますからね。

浜畑確かにそうですね。それは仕事にも言えますね(笑)。

村井悪くなる時は心技体、生活でどういう状況で悪くなるのか?また、その時どんな気持ちになるか。良い時は心技体、生活でどのような状態なのか?また、その時どんな気持ちになるか。成功と失敗を分析し、改善策を準備しておくことが平常心・フラットな気持ち、つまり自分の真ん中を知ることができます。私は、夜寝る前に1 日起こったことを必ず日誌に書いて分析してから寝るようにしています。

浜畑毎日ですか!意志が強いですね。さすがです。最後になりますが、17 年間、日光で生活されたとのことですが、栃木について思うことはありますか?

村井東京に出てみて感じたのは、栃木には自然資源という価値がふんだんにあることですね。また文化の遺産もしっかり根付いています。外に出てみて初めて分かるのが、地方の魅力かもしれないですね。栃木の方々に恩返しできるよう経営者としてはまだ1 年生ですが、とにかく誠心誠意、誠実に日々精進していきたいです。

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